天体写真マニアのためのポータブル赤道儀
K-ASTECさんのブログ内で以前から告知されていた
究極のポータブル赤道儀の姿が見えてきた。
工業用精密製品であるシグマ光器さんの回転ステージなるものを
流用したK-ASTECさんらしい小型赤道儀がベールを脱いだのだ。
実は2009年の皆既日食が終わった頃にK-ASTEC川野さんから
開発構想があることをお聞きし、心待ちにしていたのである。
(このことは以前にも一度、本ブログに書いたことがある)
これまで小型赤道儀の開発については、
韓国のAstroDreamTechさんとタイアップして進められ、
スケッチ画やMC100(Morningcalm100GE)という名称と概略仕様が公開され、
2012年春の発売予定と告知されていた。
しかし春が過ぎ夏本番を迎えようとしているこの時期になっても、
一向にその「春発売予定」表示が変わる気配はなかった。
そうこうしているうちにGF50やXY50、レボルビング装置や
特注フラット三脚などを次々と製品化し、
ひょっとしたら小型赤道儀の話はなかったことになってしまったのかと
危惧の念を抱き始めた頃、ブログでの突然の告知。
しかもその赤道儀開発(製作)を前面に押し出すのではなく、
自動導入改造休止のお知らせの言い訳(?)のように書かれていた。
まだ仮組の状態だというが、すでに赤道儀の形はできあがっている。
何よりスケッチ画ではなく実写というのがイイ^^;
しかも私の好きなドイツ式スタイル。
えっ?と思ったのが価格設定で、
「赤道儀本体+高度方位微動装置+専用カーボン三脚」
という組み合わせにもかかわらず20万円を切るという。
MC100の予定価格よりも10万円も安価になった(ウレシイ^^)
もちろん既に市場に流通しているTOAST-Proやスカイメモなどに
比べれば高価であることに違いはないが、
価値をどこに見出すかによって価格差は必然的に埋まってくる。
すかさずメールでお尋ねすると、ピリオディックモーションは
テスト値で±5秒程度とのこと。
また、今秋には発売したいとのお話であった。
当然ながら、ケアンズ日食遠征者を視野に入れているに違いない。
問題は生産台数。
K-ASTECさんは大手メーカーさんではないので、
たとえ魅力的な製品であったとしても、おのずと生産台数は限られてくる。
「10台程度が限界だと思います」と書かれたメールを見て、
まだ赤道儀の名称すらわからず、見えない部分も多々あるというのに、
「それ1台、予約をお願いします」とメールを送ってしまった自分がいた^^;
(※写真の転載はK-ASTEC川野さんの了解を得ています)
追記(2012.07.16)
K-ASTECさんのホームページに赤道儀の名称が載っていました。
「AG88(アストログラフ88)」。88はウォームホイールの大きさ。
専用三脚PTP-Carbonとセットで198,000円。受注生産だそうです。
五藤光学研究所の名機スカイグラフを彷彿とさせる名称です。
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