観測地(星見場所)変遷ものがたり~その1~
私が籍を置く天文同好会が、この5月13日で発足44年を迎える。
非常に中途半端な年数ではあるが、これを機に、
これまでの観測地(星見場所)の変遷と当時の思い出を備忘録として
振り返ってみることにする。
なお、観測地の写真は当時ではなく、つい最近、撮影したものである。
◇市街地多目的広場(1970年代前半)
ちょうど我が家の裏山に位置する広場で当時は野球場。
移動手段を持たなかった若かりし頃、ここは唯一無二の星見スペースだった。
望遠鏡を使って観測をする時は、タクシーで機材を運搬したことも。
言うなれば星見の「原点」ともいえる場所。
忘れられない思い出は1972年のペルセウス座流星群。
1時間に100個を超える流れ星は、私をものの見事に星空の世界へと引きずり込んだ。
校外補導員に目を付けられ、物陰から見張られていたりした。
市街地に位置しながらも、星見に十分耐えうる夜空がまだまだ残っていた時代。
ペルセ群観測の翌年。
地元に数軒あった本屋さんを巡り、
月極めで天文雑誌を宅配していた世帯を聞きだし、
1世帯ずつ回って天文同好会設立を呼びかけた御仁(以降、会長と呼ぶ)がおられた。
個人情報も何もあったものではない。でもそんな良き時代。
会社員、警察官、高校生など6人が会長宅に集まったのが44年前の1973年5月13日。
この場所で皆既月食を観察したことがあった。
天文イベントではめったに晴れない当地でも、珍しく快晴。
そして抜群の透明度。
次第に欠けていく月を見ながら、メンバーの一人がポツンとつぶやいた。
「月が邪魔。月がなければもっと星がきれいなのに」。
えっ?皆既月食の観察じゃなかったの?
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コメント
城○丘ですね。懐かしい。
私も市内の本屋さんで定期購読していました。声がかかったことがなかったと思いましたら、そのときはもう引っ越していました。
私は中学生のとき天文同好会に入っていた記憶があります。あまり覚えていませんが、泊まりがけの遠征や長岡にプラネタリウム鑑賞にいったような気がします。どこの同好会だったのでしょう・・・
そちらでも光害の波は押し寄せているのでしょうか。たまに同級会で行くことがありますが、深夜は街中でも結構暗い空だったように思いました。
投稿: まるひ | 2017年5月13日 (土) 13時23分
いつも拝見しています。D81さんの友人です。
カメラにズームレンズを搭載して銀河群を撮影しています。
撮影場所の記事は面白かった。苦労が見えて。
また、沢山の天体写真を期待しています。
投稿: NY | 2017年5月13日 (土) 17時11分
まるひさん
もし引っ越されていなかったら、ご一緒できたんですね。
でもまた何十年かの時を経て、ネット上でつながることができました。
不思議なご縁に感謝です。
夜空は確実に明るくなっていると思います。
それでもまだ家の玄関から天の川が見られる環境ですから、
贅沢を言ってはいけないのかもしれません。
投稿: 星のおじさん | 2017年5月13日 (土) 20時10分
NYさん
初めまして。
いつもご覧をいただいているとのこと。
ありがとうございます。
D81さんのお知り合いでしたか。
実は明日、我が家に立ち寄ることになっています。
彼もこの場所では「満月の夜のたき火事件」を起こしています。
今度、聞いてみてください。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: 星のおじさん | 2017年5月13日 (土) 20時13分
NYさんって、もしかして材木町の真田の忍者にして・・・村上義清の手のもの??
ゴールデンウィークに戸倉上山田の荒砥城攻めに行ってきたばっかりです。
星のおじさま、応援してます。
頑張ってください!!!
投稿: D81 | 2017年5月14日 (日) 18時03分
いろいろとお世話さまです。
楽しみではありますが、とても大きな宿題をいただきました。
うまく解けるか、はたまたギブアップか、乞うご期待!
投稿: 星のおじさん | 2017年5月14日 (日) 19時00分