宇宙・天文の話題

2024年6月30日 (日)

2024 MK(小惑星)とNGC6818の接近

20240629_2024mk_5
2024.06.29 22h25m01s(exp.10s,i.v1s,ISO3200)×90コマを比較明合成
D810A+75SDHF(500mm.F6.7)+EM-200(K-ASTEC AGS-1X改)
【天文ガイド2024年10月号掲載】

降って湧いたようにそのニュースは飛び込んできた。
10日ほど前に発見された小惑星が地球に接近するらしい。

NGC6818に接近する、天文シミュレーションソフトに軌道要素を入力しても時刻がズレるので、
JPLのサイト
で計算しなくてはならない などなどの情報が次々と。
幸い、その方面に明るい友人が我が家の経度緯度から計算してくれた。
NGC6818への最接近は22時31分か32分頃とのこと。

もうひとつ、我が家のベランダからの視界、南東方面は良くない。
22時過ぎに確認してみたが、まだ南斗六星が見えていない。本当に大丈夫なのか。

NGC6818を自動導入で中央において、22時31分の前後10分間の撮影をすることにした。
22時15分、試しに1コマ撮影。ところが、画角の4分の3は杉の木が写り込んでいる。
間に合うかどうか心配になったが、2024 MKは待ってくれないので、
予定より5分遅れでスタート。後は野となれ山となれの心境。
終了時刻は予定どおりとしたため、
NGC6818をはさんで非対称な光跡が描かれてしまった。
ちなみにNGC6818への最接近画像は、22時31分26秒から露光が始まっていた。
計算どおり!

しかし、天文イベントの時って、当地はお天気に恵まれないことが多い。
しかも梅雨のさなか
。なのに今回はどうしたのだろうか?
何カ所か2024 MKの光跡が乱れているのは、ご愛敬ということでご勘弁を。

 

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2023年11月16日 (木)

南の島からの便り

3週間ほど前、中学校卒業50周年の同窓会があった。
一番、遠方の参加者は、何と「種子島」からだった。
なんでも仕事の関係で、現在、生活の拠点を置いているらしい。
「種子島、宇宙センター、南天の星・・・」
そんな思いがふと心をよぎった。

同じように思った女性がいた。
とにかく彼女は好奇心旺盛。星に限らず自然大好きな昔少女(=おばさん)だ。
LINEで星のことや宇宙の質問を、バンバンぶつけてくる。
望遠鏡も持っていて、「木星の衛星が3つしか見えないけど。なんで?」
と質問してくるほど。
その彼女がくだんの種子島から参加の彼をたきつけたようだ。
「種子島・・・星がきれいでしょ」

しばらくして、彼から送られてきたという1枚の写真が届いた。
そこには冬の大三角がきれいに写っていた。
最近のスマホのカメラ性能は、本当に凄い。
(あれっ、この高さならば間違いなくカノープスが見えるハズ・・・)
すかさず彼女に返信。
「彼にカノープスの位置を教えて、写真撮ってもらってよ!」

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「彼がますます星に興味を持ったらしい」
彼女からのLINEには、そう添えられていた。
「じゃあ、次はエリダヌス座をたどり、アケルナルを探してもらってよ」と返信。
果たして報告は届くだろうか。

我が家からは残念ながらカノープスは見えない。
計算上では見えるのだが、南側の山が邪魔をしている。
数日前、地平まできれいに夜空が晴れ上がった。
おおいぬ座が南中している。
思い立って、南の空低くにカメラを向けてみた。
やっぱり、我が家からはカノープスは見えない・・・改めて思い知らされた。

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(星図はステラナビゲーターで作成しました)

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2020年12月13日 (日)

月と金星のランデブー

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高校時代の同級生で作っているグループLINEに今朝届いたワンショット。
聞けば、投稿した友人の友人が撮影したものだとか。
季節感のあるタイムリーなショットだったので、
友人経由で転載の了解を得て、ブログアップした。
『クリスマスの相談でもしているのかな』と添えられたコメントも良かった、

さて、明日からは「いよいよ」である。
以前から12月の寒波襲来は予想されていた。
それが今週なのか、それとももう一波あるのか、
いずれにしても今冬はここ2年ほどとは違う冬になりそうだ。

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2019年11月27日 (水)

プラネタリウム雑感(24年間の軌跡の備忘録として)

「プラネタリウムの運営を手伝ってもらえないだろうか」
行政からの突然の降ってわいた話に、とまどいを覚えた。
しかし、プラネタリウムに相対する位置が、客席側からコンソール側に変わることが嬉しくもあり、
ワクワク感を抑えきれなかった。
あれから24年。
およそ四半世紀、ほぼほぼボランティアで運営のお手伝いをし続けた地方の小さな公立館が、
この度ひとつの区切りの時を迎えた。
当面は休止、運営費の確保が出来れば再開というなかなかの選択肢だ。

24年間の思い出は尽きない。
とある特別投影の回。テーマは「卒業」。
その本番を迎えるまで、狭いコンソール周辺に3人がこもり、何度となく練習を繰り返した。
当然、いまのようなデジタルの世界ではない。
「このカウンターが3645秒になったら、そちらのスイッチを入れて!
ひと呼吸おいて、東正面になるよう架台を90度回転。同時にプロジェクターを切り替える。
そして、生ナレーションスタート!」。
あーでもない、こーでもないと、ふと気づけば日付変わりが目前に迫っていたこともあった。
結果、特別投影はイメージどおりに進めることができた。
終了後に寄せられたアンケートには、
「とても感動しました。卒業当時を思い出しました。
自分の子どもが大きくなったら、またこの特別投影を一緒に見に来たいと思います」
とのコメント。本当に嬉しかったことを覚えている。

これまで使っていたアナログ機に加え、デジタル投影機が導入された。
練習と称してあちこちをさわりまくる。目の前には全天に広がる映像が映し出された。
あの都会の大型館で見た番組がそのままに。おまけに途中のコマーシャルまでもが一緒。
こんな番組をちっぽけな地方館で投影してもいいんだろうか、そんな不安も正直あった。
それぞれの特徴を生かしたデジ・アナ併用投影の思惑は見事に外れ、
次第に楽なほうへ楽なほうへとシフトしていったのは無理からぬところ。

自分が関わる最後の投影回。
実は、その前日から高校の同級会が泊りがけで開かれて参加していた。
幹事ということもあり、本来ならば翌朝全員をお見送りしなければならなかったのだが、
プラネタリウム投影があるということで、朝食後、一足お先に失礼した。
間もなく投影が始まろうとしていた時、プラネタリウム室に入ってきた見覚えのある顔。
そして息を弾ませながら「間に合った!」と駆けつけてくれた友。
5人もの級友たちが私の最終投影を見守ってくれた。ただただ感謝である。

私のプラネタリウムの原点は、東京渋谷にその存在を記した五島プラネタリウムにある。
東京で暮らした5年半はもとより、実家へUターンしてからも、事あるごとに「五島詣」は続けられた。
五島の閉館が決まってからは、毎月のように上京した。
5人の解説員がいれば5通りの話が聞ける、五島の真価はまさにそこ。
これがプラネタリウムなんだとの思いをさらに強くした。
そんな時に聞こえてきたのが、地元プラネタリウムお手伝いの話だったのだ。

五島プラネタリウムはもちろんのこと、東急まちだスターホール、平塚市博物館、
りょうちゃんプラネタリウム、葛飾区郷土と天文の博物館、松戸市民会館、堀之内町公民館
などの特色豊かな先輩館に教えを乞いに出かけた。
あの頃は実に貪欲だった。(※館名称は当時のもの)

ネタに窮すると、スタッフは他館の番組を見に出かけた。
なんのことはない。視察と称したお江戸漫遊記で、もちろん自腹。
それから数カ月後、他館の題材や見せ方を参考にした番組が投影されたりもした。
「パクリのプラネ」と仲間内ではそう呼んでいた。
「番組は毎月変わります」がオープン以来の当館のウリ。
スタッフにとって、これ以上のプレッシャーはなかったが、逆にそれがお客さま視点でのウリでもあった。

都会のプラネ館は非日常を求める大勢のお客様で賑わっていると聞く。
わざわざプラネタリウムでホンモノではない星空を見せなくても、
空を仰ぎ見ればまだまだ天の川が肉眼で観察できる当地。
もちろん、プラネタリウムとしての役割や機能があることは百も承知しているが、
絶対的な需要が限られる中では、反論もしょせんはコップの中の嵐でしかない。

「プラネタリウムは五島プラネタリウムのようにあるべき」という理想を掲げ、
「番組は毎月変える」「出来るだけ生解説を入れる」「季節感のある二十四節気を紹介する」
「たとえ少額でもお金を頂いて見せることの意味を考えて」など好き勝手に無理難題を押し付けまくったが、
それを広い気持ちで受け入れてくれた運営スタッフたちには心の底からの謝意を送りたい。
多分に私の独りよがりの部分もあるが、充実した24年間だったと言い切れる。
これからは、元の客席側に戻って、ゆっくりとプラネタリウムならではの星空を楽しむことにしたい。

Planetarium

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2019年9月13日 (金)

今夜は中秋の名月

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だと、朝からテレビで紹介されていたので、夕食後に河川敷まで出かけてきた。
「お月さまとススキ」というイメージは決めていたのだが、
とにかく風が強くて、思ったような構図にはならなかった。
ちなみに、満月は明日の13時33分。
なので、今夜は満月少し手前の名月ということになる。
それにしても、名月の光をものともせずに、星がキレイに見えていた。
きっと透明度がいいんだろうな~ぁ・・・

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2018年8月25日 (土)

久しぶりの観望会

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こんな夕景だった。
前景にはススキが写り込んでいる。
少しだけ初秋の風情も盛り込んでみた。

決して快晴ではなく、どちらかといえば、雲間からやっと星が見える程度。
それでも、金星、木星、土星、火星、そして月を次々と視野に捉えることができた。

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観望会が始まったばかりの頃のワンショット。
最終的には30人ほどが集まってくれたのだが、
大勢になってから写真を写すと迷惑になるので、このタイミングで撮影。
ふだん望遠鏡を覗き慣れない人たちが身体の揺れと闘いながら、
視野に導かれた土星や木星に歓声を上げていた。

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2017年7月 1日 (土)

雨は強く降り続く。そしてポチる

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梅雨前線が北上して活発化。
今日の未明から強く降り出した雨は、現在も降り続いている。
我が家に設置している雨量計では、今日の午前0時からの積算で80mmを超えた。
近隣の自治体では土砂災害警戒情報が発令。
まだまだ降り続きそうなところをみると、当地も時間の問題かもしれない。
豪雨災害は身をもって体験している。
ほどほどの雨は必要だが、災害発生前で留まってくれることを願わずにはいられない。

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で、何の脈絡もないが、こんなソフトが手元に届いた。
いったい自分はどこを目指しているのだろうか(笑)

実は、本製品が発売される少し前、アストロアーツの関係者の方とご一緒する機会があり、
開発中のソフトウェアの使い勝手を見せていただいた。
一画面で導入や撮影を繰り返す様子は、いまの時代の天体写真撮影を実感するに十分だった。

こんな環境が欲しい(マズイ…心の声)
と思ってしまったのは実に危険な発想であることは、皆さんご推察のとおり。
でも、自動導入用赤道儀はどうしよう
そういえばデモンストレーションを拝見した時に言ってたっけ
「赤道儀はいろいろ使ってみたけど、移動用だとこれに行き着いたんですよね」
そうか、ということは増えすぎた赤道儀のうちアレとソレをヤフオクに出して、で、ちょっと追金をして・・・

そうなんです、ご明察。「ポチッ!」
しかし納期は2カ月待ち。
ボーナス期に加え、パーツ精度への対応が必要らしい。
でもこういう納期はだいたい長めに言うから、たぶんお盆の頃にはと勝手に目論んでいる。

それにしても還暦を迎え、重いものを振り回すことが非常に億劫になってきた。
GN-170の出番は・・・

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2017年1月18日 (水)

星空こよみ2017(日めくり)

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インフルエンザでダウンしていた時、
少し熱が下がりネットサーフィンに興じていた折りに見つけた一品。

それほど天文現象を詳細に掲載しているわけではないが、
その日の20時の星空や月齢など必要最小限の情報をチラ見で確認できる、
目に優しい日めくりカレンダー。

日めくりは一日、一日の積み重ねを実感できる。
今年はこんな心境で過ごしてみようか。

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2016年9月 3日 (土)

冬の主役登場

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月のない休日前の夜、久々に晴れた。
GPV予報はイマイチだったが、それほど雲も目立たなかったのでGO!

ところが、撮影ポイントに到着すると、やはり南から雲が次々とわいてくる。
旬を過ぎた夏の大三角あたりに影響はないのだが、
まさにこれからというぎょしゃ座やおうし座といったあたりは、なかなかスッキリしない。

そうこうしているうちに、東の空の雲間には、冬の主役「オリオン座」が登場。
ここで持ち出したのが、最近ゲットしたシグマの24mm(F1.4)。
これを2.8まで絞って撮影したのが、このコマ。
う~ん、予想以上に周辺部は流れている。ちょっとガッカリ。
F4くらいまで絞らないと、使い物にならないのかな。

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2016年9月 2日 (金)

皆既日食まであと19年そして台風接近

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2016.08.31 01h51m30s(exp.180s,ISO800)
EOS 6D(SEO-SP4改)+ZEISS Otus 1.4/85 ZE(F2.8)+LPS-D1・EOS-MFF-C+EM-200(K-ASTEC AGS-1X改)

本州横断皆既日食まで、あと19年。
この時期になると毎年書いているが、今年はお天気が良かった。
皆既となる午前10時頃の太陽を見ながら、「あぁ、あの辺りの高さなんだな」と確認。
テレビでは奇しくも、昨日、アフリカで観測された金環日食の様子が報じられている。
秋の長雨シーズンではあるが、19年後の今日のお天気は果たしていかに。

台風10号が東北、北海道地方に大きすぎる爪痕を残した。
東日本大震災の津波の映像に重ね合わせた方もおられたと思う。
そして12号が発生し、来週にかけて奄美から九州地方へ接近するという。
今年は台風の発生が遅かった。しかし、そのシーズンともなれば、
それなりの個数の発生は避けられない。

「避難準備情報」という言葉とその意味、
避難勧告も避難指示も法的拘束力はないという事実、
これを機会に、ぜひとも広まって欲しい。

(※写真はとかげ座、ケフェウス座付近の星空)

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